大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)55 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人坂本建之助上告趣意は末尾に添附した別紙書面の通りである。

原判決は被告人は判示物件について不法領得の意思がなかつたと説示したものと

いえないことは事実摘示と証拠説明とを照り合せて見れば判明する、従つて窃盗罪

の成立には不法領得の意思を要する旨を判示した所論大審院の判例に反するもので

はない。論旨は被告人は車輪(論旨は車輌というが、車輪の誤りである)について

は領得の意思はなく、ただそれと一体を為しているタィヤー、チユーブを運ぶ為め

にすぎないと主張する、しかし原判決挙示の証拠によればタィヤー、チユーブと一

体を為している車輪の内タイヤー、チユーブについては領得の意思があつたがタイ

ヤー、チユーブを取り去つた車輪については領得の意思はないというような分析し

た意思であつたと認めることはできないから、原判決は所論のような採証法則の違

背はなくまた法令の違反もない、論旨は結局独自の見解に基いて被告人の意思を推

測し原判決を非難するにすぎないから採用できない。

よつて刑訴法第四〇八条同第一八一条により主文の通り判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

昭和二五年六月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 穂 積 重 遠

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